2014年6月10日火曜日

「正しい生き方を学ぶ」1

本日も
昨日に引き続き
呂新吾さんの『呻吟語』から
始めさせて頂きます。

安岡正篤先生訳著の
「呻吟語を読む」の中に
「四つの難」
事を行うものの心得を
抜粋いたしますので、
共有してください。

『自分が判断したことを
人に伝えることで、
4つ難しいものがあると、
呂新吾が
「呻吟語」の中で整理しています。

(本文)
進言に四難有り。
人を審(つまびら)かにし、
己を審かにし、
事を審かにし、
時を審かにす。
一も不審有れば、
事必ず済(な)らず。

(解説) 
人は、多彩な知識があったとしても、
相手をよく見て伝えなければならぬ
ことはいうまでもありません。

自分はどういう人間で
あるかということを
知っておくことが必要です。
耳学問で
己に似つかわしくない
放言をしてみたところで、
相手に通じるはずはありません。

第三に、
事を内容を
しっかり取られることは、
言うまでもありません。

最後に、
何事にも時、
時機というものがあって、
それを逸するとかえって
害をおよぼすことがある。

この四つのうち一つでも、
はっきりできなければ、
事はかならず成功しないと
訓示ともいえる
四つの難です。』

ほとんどの問題やトラブルの元は
上記の四難によるもの
と言いましても
過言ではないと思います。

どうして
あんなに社会的にも
認められた方が
あんなに
すばらしいことを
やっているにも関わらず
上手くいっていない
のだろうということは
世間にたくさんあります。

私も含めて
ほとんどの人が
体験しているのでは
ないかと思います。

それと、
私も大好きな故事の中で
「四知」というものが
ありますが、
これは、
南朝宋時代の
『後漢書』の中の
「楊震伝」(ようしんでん)
にある故事です。

“天知る、
神知る、
我知る、
子知る、
何ぞ知る無しと
謂わんや“
というものです。

「楊震伝」は
後漢、安帝時代の名臣だった
楊震さんのことを伝えた逸話です。

楊震さんが
東莱郡の太守(長官)だった時
王密さんという
優秀な人間を茂才として推挙しました。

茂才とは
官吏登用試験の合格者のことです。
王密さんが優秀なので
官吏登用試験に
合格してはいませんでしたが、
長官である楊震さんは、
王密さんを推挙したのです。

喜んだ王密さんは
夜中に楊震さんの家を訪れ
賄賂として金十斤を
贈ろうとしたのです。
断る楊震さんに王密さんはさらに
賄賂を進めるのです。
王密さんはこう言いました。

“暮夜無知者”

“今は夜ですから、
誰も見ていませんから
知られることはありません“

それに対して
楊震さんはこう言葉を返すのです。

“天知、神知、
我知、子知、何謂無知“

冒頭の故事

天知る、
神知る、
我知る、
子(あなた)知る、
何ぞ知る無しと
謂わんや

“(誰も知るまいと
思っても)
天や神が知っている
だけでなく、
私が知っており、
あなたも知っているでは
ありませんか“

この楊震さんの断りの言葉に
王密さんは
自らを恥じて帰ったという
故事です。

安岡先生は
この『後漢書』の中の
「楊震伝」を例に
あげながら
「呻吟語を読む」の中で
こう書いています。

「無知を欺く、知る無きを欺く
というのは
まだどこかに忌(い)み
憚(はばか)る心、
何ものかを畏れつつしむという
良心的な反応の心である。

この内心の
びくびくするという忌憚の心が
誠と偽との分かれる関門である。
ところが知る有るを
畏れないというのは、
これはもう
忌憚の心もない。

人間にとって
最も大事なものは
敬恥の心でありまして、
その敬恥の心が悪い方に働くと
忌憚の心になる。
従って忌憚の心を失ってしまったら、
これはもう
「此れ死生の関」でありまして、
正に死の道である。
まだ人に知られては困るという間は
良心が死に切っておらぬからである。」

楊震さんの態度は
天地・神に恥ない
「正々堂々」とした
立派な態度であります。

この四知の故事は
自宅の私の机の
目のつくところに
書いて貼ってあり、

常に言い聞かせる
言葉として
繰り返し
読ませていただいています。

そして、
安岡先生は
「呻吟語を読む」の中で

「天徳は只是れの無我、
王道は只是れ箇の愛人」

意味は、
無我こそ至上の徳。
王道も、人間に徹して
人間を愛することより
外にない。
と結ぶのです。

いわゆる
『呻吟語』全般に
流れているエキスは
人間としての正しい生き方
人格を高めることの
重要性を
知らせようとした
呂新吾さんからの
メッセージなのです。
 
この呂新吾さんの
メッセージを心に留め
安岡先生の結びのお言葉
“天徳は只是れの無我”
を自らの心に照らし
内在する真我と巡りあう道こそ
真なる王道であります。

 生かしていただいて有難うございます。

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角田 政治
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